はじめに
以前にAWSのタイローカルゾーンを使ってみたという記事を書きましたが、2025年1月ついにAWSのタイリージョンが正式リリースされたので、とりあえず使えるようにしてみました。
タイリージョンは、アジアパシフィックで14番目のリージョンとのことです。
タイリージョンを有効化する
2025年1月時点で、タイリージョンはデフォルトでは利用できないようになっていました。
利用するには、マネージメントコンソールから有効化設定を行う必要があります。
ちなみに、有効化設定を行わないまま、タイリージョンに切替ようとすると、
このように、まずは自分のアカウントでリージョンを有効化してくれといったメッセージが表示されます。
そこで、同じくマネージメントコンソール右上のリージョン切替の一番下にある、「リージョンを管理」を選択します。
すると「請求とコスト管理」ページに飛ぶので、メイン画面のAWSリージョンから、「アジアパシフィック(タイ)」にチェックを入れて、「有効化」ボタンを選択します。
確認のポップアップがでるので、「リージョンを有効化」を選択して設定完了です。
なお、実際に有効化されるまでには少し時間がかかります。ポップアップには数分と記載されていましたが、今回試した際には15分ぐらいかかりました。
先程のページに戻ると、有効化状況が確認できます。「有効」となっていれば完了です。
マネージメントコンソール右上のリージョン選択から「アジアパシフィック(タイ)」を選択すると、今度はエラーなくアクセスできました。
タイリージョンで利用可能なサービス
タイリージョンで利用可能なサービスは、AWSの公式ページでまとめられています。
ローカルゾーンの時はELBが使えないなど、利用可能なサービスにかなり制約がありましたが、タイリージョンに関しては、ざっと見た感じ、EC2やRDS、Aurora、CloudFront、ELB、ECS、Fargate、Lambda、API Gatewayなど、一般的なWebシステムを構築するために必要なサービスは一通り揃っているようです。
EC2を起動してレイテンシを計測してみた
さくっとEC2を起動して、レイテンシを見てみました。参考までにローカルゾーン時に計測した結果も並べてみます。
京都→タイリージョン(ap-southeast-7c) ※25年1月24日測定 :平均100ms
大阪→タイローカルゾーン ※24年2月測定 :平均98ms
日本国内からのアクセスは、ローカルゾーン時と概ね同じくらいですね。
サーバ管理レベルでいえば、日本国内からでも問題なく利用できるレベルだとは思います。
次にタイ国内(バンコク)からのレイテンシです。
バンコク→タイリージョン(ap-southeast-7c) ※25年1月24日測定 :平均5ms
バンコク→タイローカルゾーン ※24年2月測定 :平均9ms
タイリージョンの測定はバンコクに設置しているLinux機器からですが、こちらはほぼ遅延なく利用できますね。
タイ国内で利用するには十分です。
当然ですが、IPの所在地はちゃんとバンコクになっていました。
まとめ
今回は2025年1月についにリリースされた、AWSタイリージョンを使ってみました。
これまでタイでAWSを利用する場合は、シンガポールリージョンを使うか、利用可能サービスが少ないなど、制約は多いけどローカルゾーンを使うという方法しかありませんでした。
今回タイリージョンがリリースされ、ローカルゾーンでは利用できなかった数多くのサービスが利用可能になったことで、タイ国内からAWSをより活用しやすくなったと思います。
また、タイの個人情報保護法であるPDPAの観点(個人情報の国外への持ち出し制限)においても、タイ国内にデータを保管できることで、対応しやすくなったと思います。
最後に少し宣伝ですが、フューチャースピリッツではタイバンコクにグループ会社であるフューチャースピリッツタイランドがあります。
タイ語ができる現地スタッフもいますので、タイ国内でAWSを活用したいなどのご用命があれば、是非お問合せください。(当然フューチャースピリッツへのお問合せも大歓迎です。)