AWSのタイローカルゾーンを使ってみた

thum_aws

はじめに

当社はタイにもグループ会社がありますが、そういえばタイにAWSのローカルゾーンがあることを思い出したので、試してみました。

AWSのバンコク(タイ)ローカルゾーン

タイのローカルゾーンはバンコクで、親リージョンはシンガポールのようです。

ローカルゾーンはリージョンと比較して使えるサービスが少ないですが、24年2月現在だとバンコクのローカルゾーンでは以下のサービスが利用可能なようです。

ロケーション バンコク (タイ)
AWS のサービス ap-southeast-1-bkk-1a
Amazon EC2 T3、C5、R5、G4dn、および M5 インスタンス
Amazon EBS 汎用 SSD (gp2)
AWS Shield スタンダード
Amazon ELB  
Amazon ECS
Amazon EKS
Amazon VPC
Amazon Direct Connect
Amazon FSx  
Amazon EMR  
Amazon ElastiCache  
Amazon RDS  
Amazon GameLift   
Application Migration Service 
NAT ゲートウェイ  
Amazon Route 53**

 

これを見るとローカルゾーンだけで色んなことをするのは難しいけど、EC2でWebサーバーぐらい。とかであれば実現できそうですね。

ローカルゾーンを有効化する

実際に使ってみました。

ローカルゾーンはデフォルトだと使えないようになっているので、利用可能な状態にします。

まずは、バンコクのローカルゾーンは親リージョンがシンガポールなので、AWSコンソールからシンガポールリージョンを選んでおきます。

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次にEC2のダッシュボードから「ゾーン」を選択します。

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タイ(バンコク)のOpt-in statusがDisabledになっていたら、ゾーンを選択して、Actionsから「Manage Zone group」を押下します。

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Enableにチェックを入れて、Updateを押下します。

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確認画面になるので、「Enable」と入力して、「Enable Zone group」を押下して完了です。

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数分待つとステータスがEnableに変わります。

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VPCにローカルゾーンのサブネットを作成する

ローカルゾーンを利用する準備ができたので、VPC内にバンコクローカルゾーンのサブネットを作成します。

サブネットの作り方は割愛しますが、作成時にバンコクのAZが選択できるようになっています。

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EC2を作成する

こちらもEC2インスタンスの作成方法は割愛しますが、ネットワーク設定のサブネット選択で先程作成したものを選択することでOKです。

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インスタンス作成時の注意点としては、ローカルゾーンでは選択可能なインスタンスタイプが非常に少ないため、希望のスペックがないといったことがあります。

2024年2月現在利用可能なインスタンスタイプは以下の通りです。

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また、EBSについても、最近はデフォルトになっているgp3が利用できず、汎用タイプではgp2を利用する必要があります。

レイテンシを計測してみた

作成したインスタンスのレイテンシを日本とバンコクから計測してみました。

■日本国内(大阪)⇒ローカルゾーンのEC2インスタンス

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平均で99msでした。微妙なラインですが使えないレベルではないかなと思います。

次にバンコクから試した結果です。

■バンコク国内⇒ローカルゾーンのEC2インスタンス

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流石に同じ国内ということだけあって、平均9msとほぼ遅延がない状況です。

これであれば問題なく利用できます。

EIPの所在地を調べてみた

最後に念のため、ほんとにバンコクなのか?を確認するために、IPの所在地をみてみました。

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見た感じは本当にバンコクのようです。

でもまぁ、あれだけのレイテンシであれば仮に他の場所でも問題ないような気もします(笑)

まとめ

今回はタイのローカルゾーンを試してみました。

わざわざローカルゾーンを利用する理由は様々あると思いますが、大きいところとしては、

  • どうしてもタイ国内(ローカルゾーン地域)のインフラを利用したい
  • レイテンシを出来る限り小さくしたい

などがあると思います。そういった場合にこういうローカルゾーンは非常に便利だなと思いました。

一方で使えるサービスなどが限られたり、金額も高めだったりするのがデメリットだなと感じました。