OpenStackを試す

tomon
2024-11-07
2024-11-07

OpenStackを触ってみました。

公式HP:https://www.openstack.org/
「世界で最も広く導入されているオープンソースクラウドソフトウェア」
です。
プライベートクラウドを立ち上げるのに使われます。

AWSやGoogle Cloudのようなクラウド環境をプラベートで立てることができます。

お試しするのに簡単な方法として、Ubuntu上でDevStackというパッケージでインストールする方法があります。今回はこれを利用。

DevStack公式 :  https://docs.openstack.org/devstack/latest/

今回の環境は、
Windows10上にて、Vagrantを使ってVirtualBox上の仮想環境としてUbuntuサーバーを構築。
そのUbuntuサーバー上に、DevStackでOpenStackを入れます。

環境
 Windows 10
 VirtualBox 7.0
 Vagrant 2.4.0
 Ubuntu 22.04

【1】VagrantでUbuntuサーバーを構築
Vagrantの使い方、VirtualBoxの使い方などは省略しますが、設定で変更したところなど記載します。
 
Vagrantの設定ファイル:Vagrantfileは以下のように修正して、
Ubuntuを立ち上げます。

...
  config.vm.box = "bento/ubuntu-22.04"
  config.vm.network "private_network", ip: "192.168.33.80"
...
    vb.memory = "10240"
...

IPアドレス= 192.168.33.80を指定し、メモリを多めの10GBにしています。
メモリはOpenStackがたくさん使うので多めにしていますが、それぞれの環境によって調整してください。

【2】Ubuntuサーバー上で、DevStackを導入

Ubuntuサーバーが構築できた後は、Ubuntuにログインし、
https://docs.openstack.org/devstack/latest/
ここある手順を、そのまま実行すればインストールが完了します。

ただし

git clone https://opendev.org/openstack/devstack
cd devstack/

のあとで、前、local.conf に以下の行を追加してください。

HOST_IP=192.168.33.80.sh
実行するとインストールのプロセスが画面に出力されますが
最後の方に以下のように
ログインのURLや、暫定で設定されたパスワードが出てきます。

その後、以下を実行。

./stack.sh

を実行するとインストールのプロセスが画面に出力されます。

ちょっと待っていたら素直にインストール終了します。

【3】OpenStack 管理画面にログイン

インストールのプロセスの出力の最後の方に以下のようにログインのURLや、暫定で設定されたパスワードが出てきます。

...
This is your host IP address: 192.168.33.80

This is your host IPv6 address: ::1
Horizon is now available at http://192.168.33.80/dashboard
Keystone is serving at http://192.168.33.80/identity/
The default users are: admin and demo
The password: secret
...

※見逃してしまった場合、ログにも出力されますので参照してください。

このURLに、同じく出ていたアカウントでログイン
 http://192.168.33.80/dashboard

 admin / secret

ログイン画面

login-1

無事、ログインできました。

ログイン後、トップ画面のイメージ


top-1

 

今回、OpenStackをインストールしてみたのですが、8年くらい前にも触ってみていました。
Open Source Conference などのセミナーに聞きに行ったり。
最近はあまり見ていなかったので、どうなっているのかな、というのが今回の記事の動機です。

以前より、初心者にも入りやすくなっていそうな、そんな印象はもちました。

ただ、実際にこれを本番環境に導入していくには以前と同様に、ハードルが高い部分があるようです。

コミュニティ版はサポート期間が短く、バージョンアップが頻繁なので、追従していくには運用コストがかなりかかります。
コミュニティ版以外で、各社がサポート期間を長めに設定したものも出していますので、そういうものを利用するのも手ではないかと思います。

ただ、それでも、セキュリティ面については十分な注意が必要になりそうです。

活用方法としては、大型の本番環境でのプライベートクラウド導入が主に考えられていますが、それ以外に、グローバルから切り離された開発環境としての利用や、サーバー・ネットワーク環境の学習環境としての利用といった方法も考えられ、可能性は広く開かれているように思います。

今回はさわりだけでしたが、よかったら、試してみてください。