NFT発行(mint)の流れを整理してみる
おつかれさまです。
前回の記事では、NFTを支える技術を「構成」という視点で整理しました。
- ブロックチェーン
- スマートコントラクト
- ウォレット
- インフラ
- データ保存
NFTは単一技術ではなく、複数の要素が組み合わさって成り立っています。
ただ、構成が分かってくると、次に気になるのが、
「実際にはどうやってNFTが作られているの?」ではないでしょうか。
今回は、その“動き”の部分を整理してみます。
そもそも「mint(ミント)」とは?
NFTの世界では、NFTを新しく発行することを「mint(ミント)」と呼びます。
実際には、
- データを準備し
- スマートコントラクトを実行し
- ブロックチェーンへ記録する
という一連の処理を指します。
“mint” は直訳すると「鋳造する」という意味で、コインを作るイメージに近い言葉として使われています。
NFTが作られる流れ
全体像をかなりシンプルにすると、NFTは次のような流れで作られます。

- コンテンツを作る
- メタデータを作る
- データを保存する
- スマートコントラクトを実行する
- ブロックチェーンに記録される
- ウォレットに紐づく
順番に見ていきます。
① コンテンツを作る
最初に、NFTとして扱いたいコンテンツを用意します。
例えば、
- 画像
- 動画
- 音楽
- デジタルアート
などです。
ここで重要なのは、NFTそのものが画像データではないという点です。
NFTは「所有情報」を管理する仕組みであり、画像そのものを持っているわけではありません。
② メタデータを作る
次に、NFTの情報をまとめた「メタデータ」を作ります。
一般的には、以下のような情報を JSON形式で作成します。
- タイトル
- 説明
- 画像URL
- 属性情報
{
"name": "Future NFT #1",
"description": "Sample NFT",
"image": "ipfs://QmXXX...",
"attributes": [
{
"trait_type": "Background",
"value": "Blue"
}
]
}
OpenSeaなどのマーケットプレイスは、このJSONを読み込んでNFT情報を表示しています。
NFT本体というよりは、「NFTの説明書」のような役割に近いです。
③ データを保存する
作成した画像やメタデータは、どこかに保存する必要があります。
保存先としてよく使われるのは、
- クラウドストレージ
- IPFS
などです。
ここでよく誤解されますが、画像データそのものをブロックチェーンに直接保存するケースは多くありません。
理由はシンプルで、コストが高いためです。
そのため実際には、
- ブロックチェーンには「保存先(URI)」
- 実データは外部ストレージ
という構成がよく使われます。
④ スマートコントラクトを実行する
ここで登場するのが、前回紹介した「スマートコントラクト」です。
スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で動くプログラムです。
NFT発行時には、このプログラムに対して「mint処理」を実行します。
例えば内部では、
- NFTを発行する
- tokenIdを採番する
- 所有者を記録する
といった処理が行われます。
Ethereum系では、Solidityという言語で実装されることが一般的です。
function mint(address to, string memory uri) public {
uint256 tokenId = nextTokenId++;
_mint(to, tokenId);
_setTokenURI(tokenId, uri);
}
⑤ ブロックチェーンに記録される
mint処理が実行されると、その内容がブロックチェーンに記録されます。
記録される情報は主に以下の内容です。
- 所有者情報
- tokenId
- メタデータへの参照先
ここで登場するのが前回紹介したインフラ(RPC)です。
よく利用されるサービスとして Alchemy や Infura があります。
アプリケーションは、これらを経由してブロックチェーンへアクセスしています。
この処理は「トランザクション」と呼ばれます。
また、ブロックチェーンへ書き込む際には「ガス代」と呼ばれる手数料が必要になります。
通常のWebアプリでは意識しない部分ですが、Web3では重要な概念の一つです。
⑥ ウォレットに紐づく
最後に、発行されたNFTがウォレットと紐づきます。
ウォレットは単なる「保管場所」ではなく、
- 所有者の証明
- 操作時の認証
という役割も持っています。
例えばMetaMaskのようなウォレットを使うことで、
- mint実行
- NFT確認
- 売買
などが可能になります。
●発行時に裏側で起きていること
mint時の内部処理を簡略化すると、以下のイメージです。
マーケットプレイスは、このイベントなどを監視してNFT情報を取得しています。

↓
mint() 呼び出し
↓
tokenId発行
↓
owner記録
↓
tokenURI設定
↓
Transferイベント発火
まとめ
NFTは、画像をアップロードするだけで突然生まれるわけではありません。
- データ保存
- スマートコントラクト
- ブロックチェーン記録
- ウォレット認証
といった複数の処理が連携することで、初めてNFTとして成立します。
前回の記事では「構成」を整理しましたが、今回は「流れ」という視点で見てみました。

