はじめに
管理画面の [カタログ>商品] の商品詳細画面では
- 個数(Qty)
- 販売可能数量(Salable Quantity)
という よく似た2つの数値を目にします。

「在庫は残っているのに注文できない」
「個数はあるのに、販売可能数量が0になっている」
といった挙動に戸惑った経験がある方もいるのではないでしょうか。
この記事では、この2つの数値が
「何を表していて」「いつ変動するのか」を整理してみます。
※
本記事では、在庫ソースが1つ(Default Source)の構成を前提に説明します。
Magento には、MSI(Multi Source Inventory)という複数の在庫ソース(倉庫)を管理する仕組みがあります。
在庫ソースを複数持つ構成では、実際の在庫管理や数量の考え方がやや複雑になりますが、本記事では説明を簡潔にするため詳細は割愛しています。
個数(Qty)とは
商品に対して登録されている在庫の総数(在庫数)です。
言い換えると、
- 倉庫にあるものとして管理されている数
- 管理画面上で登録されている在庫数
です。
ポイントとして、Qty は
注文中かどうか
出荷待ちかどうか
といった状態は考慮しません。
あくまで
在庫として存在している数そのものを示す値です。
販売可能数量(Salable Quantity)とは
販売可能数量(Salable Quantity)は、
現時点で実際に販売できる数を表します。
Magentoでは、
この値は単純に個数(Qty)をそのまま表示しているわけではなく、
- すでに注文で確保されている分
- システム上の在庫管理ルール
などを考慮したうえで、
「今売っても良い数」として計算された値になります。
そのため、
- 個数(Qty)は残っている
- でも販売可能数量(Salable Quantity)は少ない、または 0
という状態も、仕様としては正しい挙動です。
販売可能数量は
「理論上いま売っても問題ない数」
と捉えると理解しやすくなります。
販売可能数量(Salable Quantity)はいつ減るのか
Magentoでは、
注文を作成したタイミングで販売可能数量が減ります。

この時、注文した数だけ販売可能数量が減ります(個数は変わらない)。

- 注文作成
→ 在庫が「確保された状態」になる
→ 販売可能数量が減る - 注文キャンセル
→ 確保が解除される
→ 販売可能数量が戻る
まだ出荷していなくても、
「他の注文に回すことはできない」と判断されるため、
販売可能数量が先に減る、という挙動になります。
個数(Qty)が減るタイミングとの違い
在庫数である個数(Qty)が減るのは、
出荷(Shipment)作成時です。

[セールス>注文] の注文詳細画面より、「配送(Shipment)」を作成・完了したタイミングで、個数(Qty)が減少します。

注文キャンセルや返品などの操作を含めた個数/販売可能数量の挙動は以下の通りです。
| 操作 | 個数 | 販売可能数量 |
|---|---|---|
| 注文作成 | 変わらない | 減る |
| 注文キャンセル | 変わらない | 戻る |
| 出荷作成 | 減る | すでに減っている |
| 返金・返品 | 戻る ※ | 戻る ※ |
※返金・返品時に個数/販売可能数量が戻るかどうかは、管理画面の在庫管理設定や運用ルールによって異なります。
この「減るタイミングの違い」が、
在庫の数が合わないように見える原因になります。
在庫状況(在庫あり/在庫切れ)とは
Magentoには、数量とは別に
在庫状況(In Stock / Out of Stock) というフラグがあります。
この在庫状況が「在庫切れ」になっている場合、
- 個数(Qty)が残っていても
- 販売可能数量(Salable Quantity)は 0
として扱われます。
つまり、
在庫状況は販売可否を決める強い判定条件です。
数量だけを見ていると、
この設定に気づかず混乱することがあります。
よくある勘違い
個数(Qty)があれば売れる?
→ 必ずしも売れません
すでに他の注文で確保されている場合、
個数(Qty) が残っていても販売可能数量が0となり、商品は購入できません。
また、在庫状況が「在庫切れ(Out of Stock)」に設定されている場合は 、
販売可能数量は 0 として扱われ、個数(Qty)が残っていても商品は購入できません。
販売可能数量は固定値?
→ 常に変動します
注文・キャンセルなどの操作によって、
リアルタイムに増減します。
まとめ
- 個数:登録されている在庫の総数
- 販売可能数量:現時点で販売できる数
- 注文作成時に「販売可能数量」が減る
- 出荷時に「個数」が減る
「在庫があるのに売れない」と感じたときは、
個数ではなく販売可能数量を確認することで、
原因が見えやすくなります。

