「インターネットが高速化する神設定!」というブログを信用していたら裏切られた話

西山
2023-04-18
2023-04-18

こんにちは。日々是発見が楽しみ、PCいじりが大好きな西山です。

PCいじりが趣味の人なら、一度はチューニングの定番「ネットワーク高速化」に手を出したことがあるのではないかと。
Windowsであれば、こんなテクニックがPC系ブログでよく紹介されています。


コマンドプロンプトを管理者権限で起動し、「netsh int tcp show global」を実行して今の設定値を確認

  • 「Receive-Side Scaling 状態」は不安定な機能なので「disable」にすべき!
  • 「受信ウィンドウ自動チューニング レベル」「restricted」か「highlyrestricted」にすべき!

スクリーンショット 2023-04-12 154400

……みたいなテクニックを、つい最近まで私も鵜呑みにして、その通り設定していました。

しかし、Twitterや一部のブログ(※Google検索ではあまり上位に出てこない)で「Windows10や11でそのテクニックを使うとかえって遅くなる」というコメントを見かけて、気になっていました。
いわく、MicrosoftやLANカードのチップメーカーもドライバの改良を進めていて、「Receive-Side Scaling」も昔みたいにトラブることはないんだそうです。

なので、実際に設定を変更して試してみました。
スピードテストサイトのスコアだけではなく、実際にブラウザでWebを閲覧したり、オンラインゲームをプレイしてレスポンスやデータのダウンロード速度も確認します。

※スピードテストのスコアは上がったのに、ブラウザでサイト表示させると妙に引っかかったり、ゲームAPIがタイムアウトしたり、みたいな現象はよく起こります。

その結果、私の環境では

  • 「Receive-Side Scaling 状態」は「enabled」
  • 「受信ウィンドウ自動チューニング レベル」は「normal」

が最適でした。デフォルト設定が一番安定して速度が出たのです。

やられた……

チューニングを設定しただけで安心してはだめ。
設定の変更前と変更後で、自分の目で動作を確認する。
GUIで操作できない設定値を、コマンドでデフォルトから変えるのなら、その後の動作やトラブルシューティングは自己責任。


色々いじってチューニングしたけど、デフォルトが結局一番早かった

あるあるを体験したお話でした。

そして、サーバーエンジニアという立場からしても、ネットで見つけた設定を意味も分からず突っ込むのは慎もう、設定値の意味は公式ドキュメントをとことん調べて理解しよう、と改めて肝に銘じた次第です。