クラウドストレージの「Wasabi(ワサビ)」を利用したことはありますか。
「Wasabi(ワサビ)」とはクラウドストレージサービスを提供する企業で、
Amazon S3互換のオブジェクトストレージを提供しています。
Amazon S3 互換ということもあり、
画像やログファイルなどのデータ保管場所として利用する機会が想定されます。
また低価格ということもあり、Amazon S3と比較してもWasabiの方が安くなることも期待できそうです。
そんなWasabiを触ったことが無かったので、
今回、Almalinux9で構築したEC2にWasabiをマウントしてみました。
前提条件として、Wasabiのアカウント作成は作成済みとし、
サーバーはEC2で構築済みとします。
手順
1. Wasabiのコンソール画面にて、バケットを選択しバケットを作成していきます。
2. 「プロパティ設定」や「ログ保存」等の設定値を入力してバケットを作成します。
3. 次にアクセスキーの作成をクリックします。今回は検証の為、ルートユーザを選択しています。
4. アクセスキーと、秘密鍵が表示されたら後続のマウント設定時に必要となりますので、内容を控えておきます。
5. 続いてEC2側での操作です。今回は s3fs-fuse(FUSE Filesystem in Userspace)を利用して、Wasabiで作成したバケットを Linuxにマウントさせます。s3fs-fuseをインストールします。
# dnf install s3fs-fuse
6. バケット作成時に表示されたアクセスキーと、秘密鍵を入力します。
記載内容は [アクセスキー]:[シークレットキー] といった形です。
# vi /etc/passwd-s3fs
XXXXXXXX:YYYYYYYYYYYYY
# chmod 640 /etc/passwd-wasabi
7. マウントするディレクトリを作成します。
# mkdir /wasabi
8. s3fsを利用して先ほど作成したwasabiディレクトリに
Wasabiで作成したバケットをマウントします。また今回はリージョンを東京リージョンにしているので、ap-northeast-1となります。
# s3fs [バケット名] /wasabi -o rw,allow_other,use_cache=/tmp,uid=0,gid=0
# s3fs [バケット名] /wasabi -o passwd_file=/etc/passwd-wasabi -o url=https://s3.ap-northeast-1.wasabisys.com
これでマウントが完了しました。
dfで確認してみるとこのような表示です。
# df -h
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on
devtmpfs 1.9G 0 1.9G 0% /dev
tmpfs 1.9G 4.0K 1.9G 1% /dev/shm
tmpfs 1.9G 17M 1.9G 1% /run
tmpfs 1.9G 0 1.9G 0% /sys/fs/cgroup
/dev/nvme0n1p2 10G 5.7G 4.3G 57% /
tmpfs 385M 0 385M 0% /run/user/1000
s3fs 64P 0 64P 0% /wasabi
一度ファイルを作成してみます。
# cd /wasabi
# touch testfile.txt
Wasabiのコンソールでも確認できました。
簡単にWasabiをマウントすることができましたね。
WasabiにはAWSでいうIAMロールのように権限を調整できます。
特定のアカウントに必要な権限を許可するといった方法などを検討することで、
よりセキュアに利用していくことができそうです。
【参考サイト】
https://wasabi.com/ja/blog/general/rate-comparison
https://www.nttpc.co.jp/technology/wasabi.html
終わりに
いかがでしょうか。
今回のような状況はあまりないかもしれませんが、
もし上記のようなケースが出てきた場合、参考になれば幸いです。