Magento: 日本語に翻訳してみよう

Nishi
2025-02-04
2025-02-04

こんにちは!
Nishiです。前回はMagentoのテーマについての記事を書きました。

今回は、Magentoの管理画面やユーザー画面を日本語に翻訳してみたいと思います。

翻訳方法について

Magentoの翻訳方法はいくつかありますが、今回は以下の2つの方法を試してみたいと思います。

  1. 公式の日本語パッケージを使用する
  2. 辞書ファイルを使用する

また、Magentoでは、ロケール(言語)の設定によって、ユーザー画面や管理画面の表示言語が変更されます。

管理画面の設定は、管理ユーザー毎に設定できます。
SYSTEM > Permissions > All Users から管理ユーザー詳細画面を開き、Interface Locale の設定を変更することで管理画面の言語が切り替わります。
ユーザー画面の設定は、ストアビュー毎に設定できます。
Stores > Configuration > General> Locale Options > Locale の設定を変更することでユーザー画面の言語が切り替わります。

実際にカスタマイズしてみよう

それでは、前述した2つの方法で実際に日本語翻訳を行ってみましょう。

1. 公式の日本語パッケージを使用する

最も簡単な方法の1つは、公式の日本語パッケージを使用することです。
このパッケージを使えば、Magentoの管理画面やユーザー画面を簡単に日本語化できます。

公式の日本語パッケージは、
composerまたはgitからインストールできますが、今回はcomposerを使用してインストールしていきます。

bin/magento コマンドはMagentoのディレクトリで実行する必要がありますので、事前にMagentoのディレクトリに移動しておいてください。
以前のインストール記事の場合は、public_html/magentoがMagentoのディレクトリになります。
今回は、すぐに内容を反映させるためにDeveloperモードで進めます。

①composerを使ってインストール

まず、以下のコマンドでcomposerを使って日本語パッケージをインストールします。

$ composer require magentoj/language-ja_jp
// Generating autoload files... と表示されるとインストールは完了です。
②データベースの更新とキャッシュのクリアを実施

インストールが完了したら、データベースの更新とキャッシュのクリアを行います。

$ bin/magento setup:upgrade
$ bin/magento cache:flush

これで、ユーザー画面が日本語に翻訳されていることが確認できます。

スクリーンショット 2025-01-28 142153 
もし、日本語翻訳が反映されていない場合は、Stores > Configuration > General> Locale Options > Locale の設定が日本語になっているか確認してみてください。

管理画面の場合、デフォルトだと管理ユーザーのロケールが英語に設定されているので、日本語に変更します。
管理画面右上のユーザーアイコンをクリックし、Account Setting を選択します。

スクリーンショット 2025-01-28 141242

次に、Interface Localeを日本語に変更し、保存します。

スクリーンショット 2025-01-28 141623

保存すると、管理画面も日本語に翻訳されていることが確認できます。

スクリーンショット 2025-01-28 141812

[補足]
もし、git を使用してインストールする場合は、以下の手順を参考にしてください。
Magentoの日本語パッケージ をクローンまたはダウンロードします。
② app/i18n/magentoj ディレクトリを作成し、その中にgitから取得したファイルをコピーします。
③ データベースの更新とキャッシュクリアを実行することで、日本語パッケージが適用されます。

2. 辞書ファイルを使用する

辞書ファイルを使用して翻訳する方法は、細かい部分まで翻訳をカスタマイズできるので、サイト独自の変更が可能です。

今回は、前回の記事で作成したテーマに対してのみ、独自の翻訳が適用されるように進めていきます。

①辞書ファイルの作成

まず、翻訳ファイルを作成します。
以下のコマンドでディレクトリを作成し、翻訳用のCSVファイルを作成します。

$ mkdir app/design/frontend/Test/CustomTheme/i18n
$ touch app/design/frontend/Test/CustomTheme/i18n/ja_JP.csv
②翻訳内容を追加

次に、翻訳したい内容を先ほど作成したja_JP.csvファイルに追記します。
今回は、検索語画面の下記赤枠部の3つの日本語翻訳を変更します。

スクリーンショット 2025-01-28 161141

CSVファイルには、元のテキストと翻訳後のテキストをカンマ(,)区切りで記述します。
また、文字コードは「UTF-8」を使用します。
今回は、以下のように記述します。

"There are no search terms available.","検索キーワードはありません。"
"Popular Search Terms","よく検索されているキーワード"
"Search Terms","検索キーワード"
③キャッシュのクリアを実施

変更後、内容を反映するためにキャッシュのクリアを実行します。

$ bin/magento cache:flush

ユーザー画面を表示すると、設定した内容で翻訳が反映されていることが確認できます。

スクリーンショット 2025-01-28 161906

今回はテーマディレクトリ内に翻訳ファイルを作成したため、Magento Lumaテーマなど他のテーマで表示すると、翻訳は変更されず、下記画像のように元の値が表示されます。

スクリーンショット 2025-01-28 162146

最後に

今回は日本語翻訳方法をご紹介しました。
日本語以外の言語でも翻訳する事が出来るので、簡単に越境ECサイトを作成する事が出来ます。

また、翻訳方法には他にもインライン翻訳や、サードパーティ製のパッケージをインストールして行う方法もありますので、気になる方は公式ドキュメントを確認してみてください。
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