Magento:キャッシュクリアの種類と使い分け

YK
2025-08-21
2025-08-21

はじめに

Magentoでは、パフォーマンス向上のために複数種類のキャッシュが使われています。
ただ、開発中や設定変更後に「どのキャッシュを消せば反映されるの?」と迷うことも多いです。
今回は、Magentoの代表的なキャッシュの種類と、それぞれの使い分け方や注意点を紹介したいと思います。

Magentoの主なキャッシュの種類

Magentoには以下のようなキャッシュがあります(管理画面 > System > Cache Management から確認可能)。

キャッシュ種別 説明
Configuration 設定値(app/etcなど)
Layouts XMLレイアウト
Blocks HTML output ブロックのHTML出力結果
Collections Data DBのクエリ結果
Page Cache フルページキャッシュ
Translations 多言語翻訳キャッシュ

 

 

キャッシュ削除コマンドの違い

MagentoではCLIで以下の2種類のコマンドが使えます。

1)cache:clean(よく使う)

php bin/magento cache:clean

・Magentoが管理しているキャッシュのみ削除
・Config変更後、レイアウト反映、翻訳切替などに有効
・ブラウザのローカルキャッシュには影響なし

 管理画面の「Flush Magento Cache」と同じです。

 

2)cache:flush(より強力)

php bin/magento cache:flush

・Magentoに限らず、バックエンドのキャッシュストレージ全体を削除
・RedisやVarnish等、共有キャッシュも含めて全部消える
・開発環境ではOK、本番で乱用注意※

 管理画面の「Flush Cache Storage」と同じです。

※例えばRedisをセッション用キャッシュ用で同じDB番号にまとめていたりすると、セッションも巻き込んで全て削除されてしまう→全ユーザのログインが切れたりするので、構成は確認しておきましょう。

 

よくある使い分けパターン

シーン 使うコマンド 理由
設定変更したけど反映されない cache:clean 設定キャッシュが残っているため
テーマのレイアウトXMLを変更 cache:clean
LayoutとBlockキャッシュを更新
開発中、とにかくすべて初期化したい cache:flush
Redis/Varnish含めて全部クリア
ページの表示崩れや不整合が起きている

cache:clean
必要ならcache:flush

Block等のキャッシュが影響
キャッシュの破損の可能性もあり

 

まとめ

設定やデザインが反映されない場合、まずは cache:clean やっとこ!な感じになりますが、その奥でどの種類のキャッシュが効いているのかを意識できると、よりスムーズな開発・運用ができるようになります。