突然ですが皆さんは「やってはいけない」と言われたら無性にやりたくなってしまうことはありませんか?
小学生のときには誰しも
「廊下を走るな!」「つまみ食いをするな!」「授業中にしゃべるな!」
こんなことを注意されたことがあると思います。
ITの世界にも同じような「やってはいけないこと」が存在します。例えば、「rm -rf /*」を実行するとか。
前回ディスクを抜いてから。。。
前回のブログで、稼働中のサーバーからディスクを引っこ抜く実験をして、見事にレイド構成が崩壊しました。社会人になってから、友人と派手に遊びまくるなどというイベントが減ってしまいました。代わりに毎日の業務や勉強が楽しいのでこんなに幸せなことはありません。
とはいいつつ、夏には何かしらの刺激がほしいもの。ということで社会人1年目、ひと夏の思い出に検証用サーバーに一役買ってもらうことにしました。
何かというと、かの有名なrm -rf /* コマンド(通称〝バルス〟)を実行することです。
「rm -rf /*」の意味
バルスという呼び名から推察される通り、最強&最恐コマンドです。絶対に実行してはいけません。コマンドの意味は、
rm →削除する
-r →ディレクトリごと
f →許可なく
/* →ルートディレクトリ配下を
以上を組み合わせて、
rm -rf /* = ルートディレクトリ配下を、ディレクトリごと、許可なく、削除する。
という意味になります。
いざ実行
それでは早速実行。
コマンドを実行したところ、一部ディレクトリの書き込み権限がないからか大量に「削除できません」というメッセージが表示されました。
全ファイルを消し去ることが目的では無いのでこのまま放置します。
実行結果
まず、GUI版の画面が崩壊しました。ホーム画面から様々な機能にアクセスできるはずが、アイコンや項目ごとなくなっていました。
CUI版では、あらゆるコマンドが使えず何もできなくなりました。
どんなコマンドも「command not found」とエラーが出てしまい、前回のブログでディスクを抜いた時と同じ状況ですね。
バルス発動後とにかく何もできなくなったので終了ですが、バルス発動前からCPU使用率を計測していました。
コマンド実行後、CPU使用率が上昇し、「ksmtuned」というデーモンプロセスによって30%ものリソースが使われていました。ネットで調べたところ、大量のデータを削除するときにメモリの使用量を削減する役割があるようです。コマンド実行によりディスクI/O(入出力)が発生してCPUの使用率が上昇しています。
単純にファイルを削除するにもたくさんのリソースが食われます。
今回もやってはいけないことに挑戦しました。感想としては意外と地味だなと思いました。サーバーが爆発することもないので単純にコマンドを実行しただけといった感じです。
ですが逆に言うと、「めっちゃ気軽にサーバー内の重要データを消すことができる」ということが学べました。ケチな私からすると自販機のボタンより気軽にバルスコマンドを放てます。
実務では絶対に実行しないことを肝に銘じて終わりとさせていただきます。
お読みいただきありがとうございました。
おまけ(特製壁紙)
パワーポイントでバルスコマンドのPC壁紙を作りました。気に入っているのでおすそ分けです。