AWSのOP25BK解除申請を日本語オンリーでやってみた

はやし
2022-09-21
2023-06-09

AWSのOP25BK解除申請を日本語オンリーでやってみた

はじめに

AWSでは、デフォルトでEC2インスタンスやLambdaから外部へのSMTP通信(25番ポート)をブロック(Outbound Port 25 Blocking)していて、それらサービスからメール送信を行うためにはAWSにOP25BKの解除申請を行う必要があります。
解除申請はAWSが用意しているフォームから申請する必要があります。
このフォームが英語のため、英文で申請する必要があるのかと思われがちですが、実は日本語でも申請できるという話を耳にしたので、本当にできるのかというのを試してみました。

申請方法

OP25BKを解除したいEC2インスタンスやLambdaが登録されているAWSアカウントにログインした状態で、解除申請フォームにアクセスして、必要事項を記入します。

https://console.aws.amazon.com/support/contacts?#/rdns-limits

op25bk_01

Email address :解除申請のやり取りを行うアドレス
Use case description :メール送信したい理由や、スパム等の不正配送に利用されないための対策について記載する
Elastic IP address - option :逆引きを設定している場合はEIPと対応するrDNSを記載する

AWS公式ページには、Use case descriptionについて以下の説明がある。

[Use case description] (ユースケースの説明) フィールドに、必須情報を入力します。 EC2 インスタンスまたは NAT ゲートウェイから E メールを送信するための明確で詳細なユースケース。 アカウントが不要な E メールの送信に関与していないことを保証する計画の概要を説明するステートメント。 EC2 インスタンスまたは NAT ゲートウェイのリージョン。

また、フォームは英語表記のため、英文での説明が必要だと思っていたが、日本語でも申請が出来たという情報を耳にしたので、今回は最後まで日本語で通してみた。

Use Case descriptionに記載した内容は以下の通り。

EC2インスタンス(i-024ae00a28f1d9c43)から定期的に実行するバッチ処理レポートをメールで送信したいと考えています。
1100通程です。
リージョンは東京リージョン
(ap-northeast-1)です。
SMTP接続はEC2インスタンスのローカルホストからのみに限定しており、外部からのSMTP接続はありません。
ポート
25の制限解除をお願いいたします。

また、この解除申請はリージョン単位で有効になるため、同一アカウント、同一リージョン内に複数のインスタンスがある場合も、一度の申請を通すだけで良いことがわかった

申請後は、上記Email addressで登録したアドレス宛に、最大48時間待つ旨のメールが送られてきます。

op25bk_02

今回の検証では、約24時間後に追加質問のメールが送られてきました。

op25bk_03

日本語訳は以下の通り。

こんにちは。
 
この度は、rDNS更新のリクエストをお送りいただき、ありがとうございます。
 
このリクエストをできるだけ早く処理するために、以下の情報を提供してください。
 
このアカウントが不要なメールの送信に関与しないことを保証する方法を示す技術的なステートメント。
 
PTRレコードは、私たちの側でリバースDNSレコードを作成する前に存在する必要があることに注意してください。
 
この情報を受け取り次第、お客様のリクエストを進めることができますので、ご協力をお願いいたします。
 
ご不明な点がございましたら、お問い合わせください。
 
よろしくお願いします。 AWSの信頼と安全 アマゾン ウェブ サービス合同会社
 
ご要望の詳細は以下の通りです。

フォームからの申請だけでは通さないようにしている節も感じられるが、以下のように日本語で返信しました。

op25bk_04

すると、今度は20分程で更なる確認メールが送られてきました。

op25bk_05

日本語訳は以下の通り。

こんにちは。

この度は、rDNS更新のリクエストをお送りいただき、ありがとうございます。

このリクエストをできるだけ早く処理するために、以下の情報を提供してください。

* EC2からメールを送信するための明確な/詳細なユースケース。
 
* インフラやセキュリティ対策の詳細を含む、貴社のスパム防止メカニズムに関する技術的な説明。

これらの情報を受け取り次第、リクエストを進めることができますので、ご協力をお願いいたします。

ご不明な点がございましたら、ご連絡ください。

よろしくお願いします。

最初のフォームや、先程の返信で回答したような内容について、再度質問が来たので、以下のように日本語で返信しました。
ひょっとしてループしてる!?op25bk_06

すると、20分程で解除が完了した旨の返信がきました。op25bk_07

日本語訳は以下の通り。

こんにちは。
 
Amazon Web Services アカウントのEC2メール送信制限の解除依頼を、以下のリージョン ap-northeast-1 で承認しました! 他のAmazon Elastic IPのメール送信制限の解除をリクエストした場合、それらも解除されました。
 
DNSのリバースレコードエントリーは一般的にアンチスパムフィルターで考慮されるため、第三者へのメール送信に使用するElastic IPアドレスにDNSのリバースレコードを割り当てることをお勧めします。このリンクにあるフォームを使用して、リバースDNSエントリーをリクエストしてください。https://aws-portal.amazon.com/gp/aws/html-forms-controller/contactus/ec2-email-limit-rdns-request
 
Elastic IPにリバースDNSレコードを割り当てる場合、まずドメインのAレコードをお客様側の希望するPTRレコードに一致するように設定します。
 
以下のリンクの指示に従って、Aレコードを作成してください。https://docs.aws.amazon.com/Route53/latest/DeveloperGuide/resource-record-sets-creating.html
 
ご不明な点がございましたら、ご連絡ください。
 
よろしくお願いします。AWSの信頼と安全アマゾン ウェブ サービス合同会社

該当アカウントの東京リージョン(ap-northeast-1)において、他のEIPも含めてOP25BKを解除した旨が記載されていました。

試しに申請に記載したインスタンスと、別のインスタンス両方で外部へのSMTP通信を試してみたところ、どちらも問題なく通信ができることを確認できました。

まとめ

今回の検証で以下のことがわかった。

  • 申請におけるOP25BKの解除対象はインスタンスではなくリージョン全体
  • 申請フォームは英語だが、日本語でも申請可能(その後の英文メールで追加質問が来た場合も日本語で返信してOK)
  • 追加質問の発生有無は割当る担当者次第の可能性大(フォーム申請だけで通る可能性もあり?)
  • SPFやDKIM設定はする予定みたいに書いておけばOK(多分チェックされていない)

過去いくつも解除申請を上げているが、未だかつてフォーム申請だけで解除されたことがありません。
ひょっとしたら不正防止などの観点から、少なくとも一回は再質問がくるのかな?と思いつつ、一発で通れば楽なのになと思う今日この頃です。