普段よく使うコマンドオプションは、aliasコマンドを利用すれば省略して登録しておくことができます。
今回はこのaliasコマンドの作成、削除を行います。
aliasコマンドについて
aliasは「別名」という日本語の通り、既存のコマンドに別の名前を付けることができるものです。
aliasと入力すると、現在登録されているaliasコマンドが一覧で表示されます。
$ alias
alias cp='cp -i'
alias ls='ls --color=auto'
alias mv='mv -i'
alias rm='rm -i'
上記の例では、一番上に「alias cp='cp -i'」が登録されています。
cp -i は別名cp として登録されていますので、cp -iとcpを実行したときはどちらも同じ結果になります。
作成手順
では、実際にaliasコマンドを作成していきます。今回は「ls -la -t」のコマンドを「lsat」として登録してみます。
コマンドの確認
まずは「ls -la -t」がどのような実行結果になるのかを見てみましょう。
$ ls -la -t
drwxr-xr-x 3 user user 71 Feb 8 11:21 .
-rw-r--r-- 1 user user 0 Feb 8 11:21 .secret
drwxr-xr-x 2 user user 6 Feb 8 11:20 hogehoge
-rw-r--r-- 1 user user 6 Feb 7 18:25 test2.txt
-rw-r--r-- 1 user user 6 Feb 7 18:24 test1.txt
drwx------. 5 root root 195 Feb 7 18:24 ..
コマンドの詳細はこのようになります。
ls:実行配下のファイルをリスト表示
-la:詳細を含めた全てのファイルを表示
-t:降順(最新の変更分)から表示
つまり、コマンド実行配下にある隠しファイルを含めたファイルを時系列降順でリスト表示しています。
aliasコマンドの作成
aliasコマンドを実行し「ls -la -t」登録していきます。
入力形式はこのようになります。
$ alias 登録したいコマンド名='登録したいコマンド'
ですので、今回の場合は以下のような入力を実行します。
$ alias lsat='ls -la -t'
何も表示されなければOKです。
実行後は、お望みどおりに登録できているかどうかaliasを実行して確認してみましょう。
$ alias
alias cp='cp -i'
alias ls='ls --color=auto'
alias lsat='ls -la -t'
alias mv='mv -i'
alias rm='rm -i'
aliasコマンドのリストに「alias lsat='ls -la -t'」がありますので、「ls -la -t」が「lsat」として登録されていることが分かります。
登録済みaliasコマンドの確認
今回登録したlsatコマンドを実行して、aliasを登録する前と同じ実行結果になるのかを確かめてみましょう。
$ lsat
drwxr-xr-x 3 user user 71 Feb 8 11:21 .
-rw-r--r-- 1 user user 0 Feb 8 11:21 .secret
drwxr-xr-x 2 user user 6 Feb 8 11:20 hogehoge
-rw-r--r-- 1 user user 6 Feb 7 18:25 test2.txt
-rw-r--r-- 1 user user 6 Feb 7 18:24 test1.txt
drwx------. 5 root root 195 Feb 7 18:24 ..
リスト表示で詳細情報も出ており、時系列降順で表示されています。同じ実行結果となっていることが確認できました。
unaliasを用いた削除
aliasコマンドの登録にあたり、間違いやミスがあった場合はunaliasコマンドで登録済みのコマンドを削除します。
unaliasの実行
では、さきほど作成したlsatコマンドを削除するためunaliasを実行します。
形式はこのようになります。
$ unalias 登録済みのコマンド名
今回削除する「lsat」を以下のように入力します。
$ unalias lsat
何も表示されなければOKです。
実行後、削除できているのか確認のためaliasを実行します。
$ alias
alias cp='cp -i'
alias ls='ls --color=auto'
alias mv='mv -i'
alias rm='rm -i'
リストから「alias lsat='ls -la -t'」がなくなっており、削除されていることがわかります。
さいごに
ある程度コマンド操作に慣れてオプションも覚えてきた段階であれば、よく利用するコマンドはaliasに登録しておくと便利だと思いました。