S3 ストレージクラスの種類をまとめてみた

はやし
2023-09-11
2023-09-11

thum_aws

はじめに

S3には様々なストレージクラスがあり、それぞれに特徴がありますが、すぐに忘れてしまうので、備忘録がてらまとめてみました。

ストレージクラスの種類

2023年9月現在、S3には用途別に3つのカテゴリ(汎用、低頻度アクセス、アーカイブ)と、7つのストレージクラスがあります。(Outpostsを除く)

◇汎用

S3 Standard (デフォルト)
S3 Intelligent-Tiering

◇低頻度アクセス

S3 Standard-IA
S3 One Zone-IA

◇アーカイブ

S3 Glacier Instant Retrieval
S3 Glacier Flexible Retrieval (旧 S3 Glacier)
S3 Glacier Deep Archive

一般的に利用されるのが、Standardでデフォルト設定でバケットを作成すると、これになります。
いずれのストレージクラスも耐久性はイレブンナイン(99.999999999%)です。

それぞれの特徴について、簡単にまとめてみます。

汎用

S3 Standard

先にも書いたように、標準のストレージクラスです。

バケットを作成する際に、デフォルト設定を選べばこちらになります。

アクセス頻度の高いデータ向けに、高い耐久性や、低レイテンシー高スループットが提供されるのが特徴です。

S3 Intelligent-Tiering

アクセス頻度に基づいてデータを最も費用対効果の高いアクセス階層に移動させることで、自動でコスト削減してくれるのが特徴です。

低頻度アクセス階層は、ストレージコストを最大40%節約、アーカイブインスタントアクセス階層は、ストレージコストを最大68%節約してくれるそうです。

低頻度アクセス

S3 Standard-IA

アクセス頻度は低いが、必要に応じてすぐに取り出すことが必要なデータに適しているのが特徴です。

長期保存やバックアップ災害対策ファイルのデータ保管場所として理想的です。

可用性やスループットなどの性能はStandardと変わりませんが、Standardではデータを取り出すための料金はかかりませんが、Standard-IAやOne Zone-IAでは取出し料金が発生します。

S3 One Zone-IA

アクセス頻度は低いが、必要に応じてすぐに取り出すことが必要なデータに適しているのが特徴です。

これだけ見るとStandard-IAと同じように見えますが、違いは他のストレージクラスとは異なり、データ保存先は1つのAZになるということです。(他のストレージクラスは少なくとも3つのAZに保存される)

その分料金的にはStandard-IAよりも安くなります。

アーカイブ

S3 Glacier Instant Retrieval

アクセスされることがほとんどないが、必要な時にはミリ秒単位の取出しができる、データを長期間、最低コストで保存するのに適しているのが特徴です。

四半期(3ヶ月)に一回ぐらいしかアクセスしないけど、欲しい時には秒単位でファイルを取り出したいといった用途で利用します。

S3 Glacier Flexible Retrieval (旧 S3 Glacier)

データ取出しにも時間がかかるが、その代りに低コストで長期保存するのに向いているというのが特徴です。

年に1~2回程度しかアクセスがなく、且つデータを取り出す際も急ぐ必要がないといった場合に利用します。

データの取り出しには数分~数時間かかります。

S3 Glacier Deep Archive

7~10年間保存されるデータの長期保存用に設計されており、S3の中で最も低コストなストレージクラスで、Flexible Retrievalと同じく年に1~2回程度しかアクセスしないデータを長期保存するのに向いているのが特徴です。

データの取り出し時間は12時間以内と非常に長くなっています。

ストレージクラスの比較

ストレージクラス 対象 耐久性 可用性 保存先AZ
S3 Standard アクセス頻度が高い 99.999999999% 99.99% 3AZ以上
S3 Intelligent-Tiering アクセス頻度が不規則で、データを低コストで長期保存したい 99.999999999% 99.9% 3AZ以上
S3 Standard – IA アクセス頻度は低いが、すぐにデータを取り出す必要がある 99.999999999% 99.9% 3AZ以上
S3 One Zone-IA アクセス頻度は低いが、すぐにデータを取り出す必要がある(Standard-IAと比べると可用性が低い) 99.999999999% 99.5% 1AZ
S3 Glacier Instant Retrieval 長期保存で、アクセスは3ヶ月に一度ぐらいしかないが、必要なときには即時取出せる必要がある 99.999999999% 99.9% 3AZ以上
S3 Glacier Flexible Retrieval 長期保存で、年に1~2回程のアクセスしかなく、データ取出しも急ぐ必要がない(数分~数時間) 99.999999999% 99.99% (オブジェクトを復元後) 3AZ以上
S3 Glacier Deep Archive 長期保存で、年に1~2回程のアクセスしかなく、データ取出しも急ぐ必要がない(12時間以内) 99.999999999% 99.99% (オブジェクトを復元後) 3AZ以上

まとめ

普段はStandardを利用することが多いですが、目的や用途に合わせてストレージクラスを選ぶことで、コストの最適化が可能です。

各ストレージクラスの特徴はすぐに忘れてしまうので、今回改めてまとめてみましたが、やっぱり忘れてしまいそうと思ったので、都度自分の記事で振り返ってみたいと思います。(笑)