新しい検証環境が必要になったとき、最も手軽に始められるのがクラウド上でサーバーを立ち上げる方法です。
今回は、さくらのクラウドを使い、Windows Serverを構築し、VPNで接続できるように仕上げるまでの過程をまとめてみました。
VPNルータを作成する
まずは、VPN 接続のゲートウェイとなる「VPN ルータ」を作成します。

さくらのクラウド管理画面で アプライアンス → VPN ルータ を選択し、新規作成します。
設定画面で以下の項目を入力し、作成を実行します。

プラン:スタンダード(今回はこちらを使用)
インターネット:有効
スイッチを作成する
サーバーと VPN ルータを接続するためのローカルスイッチを作ります。
管理画面から ネットワーク → スイッチ を選択し、新規作成します。

設定画面で以下の項目を入力し、作成を実行します。
名前: 任意の名称を入力します。
ルータ: 今回はいいえを選択します。
Windows Serverを作成する
VPN 経由で接続する Windows Server を構築します。
管理画面の サーバ から新規追加を選択します。
設定画面で以下の項目を入力し、作成を実行します。

▼ サーバプラン
仮想コア: 通常プラン
メモリ: 2GB(今回の例)
▼ ディスク
ディスク: 新規ディスクを作成
ディスクプラン: SSD(容量 100GB〜)
ディスクソース: アーカイブ
アーカイブ選択: Windows Server 2025 for RDS
ディスクサイズ: 100GB
▼ NIC(ネットワーク)
NIC: スイッチに接続
スイッチに接続: 作成したスイッチを選択
▼ ディスク修正(IP設定)
IPアドレスの設定: 固定IPアドレスを設定
IP:192.168.0.10
ネットマスク:24
ゲートウェイ:192.168.0.1
Windowsサーバーの初期設定を行う
作成した Windows サーバーを起動し、コンソールから各種初期設定(パスワードなど)を行います。
VPNルータのネットワーク設定を行う
VPNルータのネットワークインターフェースを、作成したローカルスイッチに接続します。
VPNルータ → プライベート1 → インターフェース修正

設定画面で以下の項目を入力し、更新前チェックを実施した後、更新を実行します。
スイッチ:既存スイッチを接続
IPアドレス:192.168.0.1
VPN(L2TP/IPsec)の設定を行う
VPN接続に必要な設定を行います。
VPNルータを選択し、リモートアクセスタブを選択、
L2TP/IPsecサーバ タブを開き、編集を選択します。
設定画面で以下の項目を入力し、更新を実行します。

L2TP/IPsecサーバ:有効
動的割り当て範囲(開始):192.168.0.200
動的割り当て範囲(終了):192.168.0.220
Pre Shared Secret(事前共有キー):任意の文字列
VPN接続ユーザの作成
VPN接続に使用するアカウントを作成します。
リモートアクセスタブを選択し、アカウント管理タブを選択、追加を実行します。
設定画面で以下の項目を入力し、追加を実行します。
ユーザー名: 任意のユーザー名
パスワード: 任意のパスワード
VPNルータを起動し、グローバルIPの確認
作成したVPNルータを選択し、電源操作より起動を実行します。
起動後、インターフェースタブより グローバルIPアドレスを控えておきます。

クライアントのVPN設定
次に、Windows PC側で VPN 接続を設定します。
左下の「Windowsアイコン」を選択し「設定」を選択します。

「ネットワークとインターネット」から「VPN」を選択し、VPN追加画面で以下の項目を入力します。
VPN プロバイダー:「Windows(ビルトイン)」を選択
接続名: 任意の接続名を入力
サーバー名またはアドレス: VPCルータのIPアドレスを入力
VPNの種類: 「事前共有キーを使った L2TP/IPsec」を選択
事前共有キー: 9で設定した「Pre Shared Secret」を入力
サインイン情報の種類: 「ユーザー名とパスワード」を選択
ユーザー名: VPCルータで設定したユーザー名を入力
パスワード: VPCルータで設定したパスワードを入力
保存後、「詳細オプション」から「その他のVPNプロパティ」を選択します。

「セキュリティ」を選択し「次のプロトコルを許可する」にチェックを入れ、
Microsoft CHAP Version2(MS-CHAP v2)にチェックが入っていることを確認しOKを選択します。

最後にクライアントPCから作成したWindows Serverへリモートデスクトップ接続してみます。
右上の接続を選択します。

VPN接続ができれば、接続済みにステータスが変わります。

リモートデスクトップ接続を行います。
コンピューター名にサーバーに割り当てたローカルIPを入力します。
今回は192.168.0.10になります。

ユーザー名は Administrator パスワードは設定したパスワードを入力し、OKを実行して完了です。

まとめ
以上、さくらのクラウドで Windows Serverを構築し、VPN接続を行うまでの手順をご紹介しました。
必要な設定を順番に進めていけば、リモートアクセスできる環境をクラウド上に簡単に用意できます。
ぜひ自分の環境でも試してみてください。

